山村ドレススタジオ > ちょっと(かなり?)マニアックな服飾技術の話 > 「人生を歩む道は一つではない」と、型紙作りが教えてくれる(大げさ?)

ちょっと(かなり?)マニアックな服飾技術の話 (洋服つくりの技術を紹介してます) 61

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ボクは、型紙作りについて考えてもらうための題材として、写真のボールの型紙の形と、立方体を例にして、その変形したモノの展開図を使っています。
ちなみにボールは、以前使われていたバレーボールの構造を、ボクが想像して作りました。

ここで気づいてもらいたいことは、型紙の形を考えるときに働かせる思考回路の違いのことで、人にもよりますが、ボールは全体をグルっと眺めて絵的に考えるのに対して、立方体は一つ一つの面を順番に考えることになります。
ボールは型紙に到達するための明確な手順はありませんが、立方体は、ルールを理解し順番にたどっていけば、必ず正解にたどり着けます。

俗にいう右脳左脳の分類で、一般的に型紙作りは、後者の考え方で学ぶ傾向にあり、誰もが確実に習得出来ることを重視します。
でも、前者の思考が得意な人は、得意を鍛えた方が良​くて、誰もが確実に出来ないことが出来るなら、その時点で希少性があります。
前者の思考だけで洋服の型紙を完成させることは不可能ですが、早いし、バリエーションの範囲が広く、後者の思考では不可能な形を作り出すことができます。

これ、おそらくは持って生まれた思考のクセで、優越の話ではありませんが、得意なことをすればよくて、最終形に至る道筋は一つではありません。
また、一着の服の中にも、それぞれの思考方法に適した箇所があるので、使い分けると良いと思います。

伝えたいのは、「あなたの、やりやすい方法でどうぞ」という単純なことなのです。

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