山村ドレススタジオ > ちょっと(かなり?)マニアックな服飾技術の話 > 「甘党」なもんで

ちょっと(かなり?)マニアックな服飾技術の話 (洋服つくりの技術を紹介してます) 40

前の投稿一覧ページに戻る次の投稿
ぼくの食べ物の好みは「甘党」ですけど、ここでの「甘党」は、細かな線の流れ、「甘い線」の話です。
実際の服の硬さのことはさておき、できるだけ見た目が「やわらかく」見える形を好むことが多く、具体的には、写真1の赤い線に対する青い線のように、衿ぐりの線が少しカーブを描かせたり、今回は上衿をバイアスにして、より柔らかい印象になるよう工夫をこらしました。
上衿のバイアスは、それほどの頻度では採用していませんが、上衿の取り付け方によってやわらかい印象にすることは、よく使っている方法です。

※ここをクリックすると、写真の作品ページに移動します。


また、写真2の赤い線に対する青い線のように、ラペルの折り返りを、意図的に不明瞭にしていて、ここでも柔らかさを強調しています。
これは見返しのちょっとした細工の違いによってもたらされています。
これらの細部の違いを、具体的に指摘できる方は限られていると思いますが、それでも「何となく雰囲気がちがう」ということは、洋服に興味のある方なら感じられる可能性は高く、こういう細部の積み重ねが大切なんだと思います。