「縫うのが難しい」のは、どんなとき?
洋服を作っていて、縫うのが難しいことってあると思いますが、その原因を考えると、大きくは、以下のように分けられると思います。
1.精度の悪さが(悪い意味で)目立ち、かつ精度を出しにくい。
2.作ってるうちに、生地が駄目になる可能性が高い。
3.ミシンの構造や性質などとの、相性が悪い。
上の3つの難しさの要素は、単独なこともありますが、複数が重なることもあります。
1.は、シルクサテンやシフォンのなどような、素材の取扱い自体が難しいものもありますが、柄を正確に合わせないといけないケース(写真1.2.3)や、ジャケットの袖付けや、衿の込み入った箇所(写真5.6)のような箇所などが挙げられます。
ダブルフェイス(リバーシブル)仕立ては、本当にリバーシブルで着られるようにする方が(写真4)、精度を要求するし、しかも、そのためも構造を検討しなければないないので、より難しいです。
2.は、生地そのものが駄目になりやすいものも沢山ありますが、主に「縫い代」の問題で、縫い代を多く(幅広く)とることが構造上不可能な箇所や(写真7.9)、縫い合わせるときに、無理やり引っ張らないと、ミシンのかからない箇所(写真8)、などがあげられます。
3.は、直性とカーブや、凸カーブと凹カーブどおしを縫い合わせたり(写真5.6.7)、細長い部品にステッチをかけたりすること、などが挙げられます。
もっとも、これらの技術を使わなくても洋服は作れるし、必ずしも必要というわけではありません。
縫うのが簡単になるように、デザインで解決する方法は、いくらでもあります。
どんなものを作りたいのか、どれくらいの技術があり、どれくらいの時間をかけられるのか、などの条件によって柔軟に考えればよいと思います。
ちなみに、「時間のかかる」ものも、直観的に「難しい」と、思ってしまうことがあるかもしれませんが、、「時間のかかる」と「難しい」とでは、対策方法が全く異なるうで、それらははっきりと分けた方がよいと思います。