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ちょっと(かなり?)マニアックな服飾技術の話 (洋服つくりの技術を紹介してます) 31

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「型紙の作り方」の、考え方について

型紙には、作るときの理論、「作図理論」というものがあって、型紙は、基本的には理論的に「書く」ものだと思います。
で、その理論の大半は、突き詰めるとバランスの問題なんだと思います。「前の丈と、後ろの丈のバランス」とか、「前身頃の首の位置から裾と、肩先から裾の長さのバランス」とか、「身体のバストサイズと、服のバストサイズのバランス」とか。

そのバランスは、時代によって変わる箇所もあって、必ずしも普遍的とは言えないし、バランスがとれた服がよいかは、ケースバイケースでしょうけど、バランスのポイントを知らないで、型紙を作るのは、賢明なことだとは思わないです。
あとは、最低限必要な寸法を知っていることで、生地が伸びることを前提にしなければ、身体の首周りより、服の首周り寸法が少なければ、首がしまって苦しいですからね。
でも、つくられた型紙をよしとするかどうかの、最終的な判断基準は、「腑に落ちる」かどうかだと思います。「線の流れが落ち着かない」とか、「つながりが、しっくりこない」とかで、たいていの場合、実際には、こういう精度で服が作れるわけでもありませんが、線の流れを押さえておくことは、大切だと思います。
完成した時に、形の美しい服は、その型紙の線の流れも、美しいのだと思っています。

という感じで、「腑に落ちる」かどうか、あれこれ「描き」直していると、ときに紙がグチャグチャになってしまいます。

と、ここで、「書く」と、「描く」を、あえて使い分けたことに気づきましか?

「型紙の作り方」の、考え方について01