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ちょっと(かなり?)マニアックな服飾技術の話 (洋服つくりの技術を紹介してます) 30

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伸び止めテープ論(そんな理論があるのか知りませんが)

ボクが普段使っている、伸び止めテープは写真1の二種類のみで、左が少し伸縮性のある薄めの織物タイプ、右は伸縮性のないちょっと硬いタイプで、右のは、ウェストの部分に使ったりするくらいで、ほとんどが左のタイプを使っていて、自分では、テープの上にミシンがかかるように貼ることが多いです。

その伸び止めテープを、どこに貼るのかというのは、一般的に言われている、襟ぐりや、肩線、前端など、書いているとおりで、問題がないことが多いのですが、たまに例外があって、その例外が、「貼っても意味がない」なら、それでも構わないけど、「貼ると弊害がある」なら問題で、柔らかい生地や、伸縮性のある生地に、そういうケースが多く、従って、昔よりも例外になるケースが増えてきていると思います。

例外になる理由を簡単に言ってしまうと、「伸びるに任せたほうがよい箇所がある」ということです。
当たり前の話ですけど、伸び止めテープは貼ったところしか伸びるのを防いでくれないので、その周辺が伸びやすい生地や形だと、要注意です。

ボクは写真2のようなシャツカラーの衿の端には、伸び止めテープを貼ることが多いのですが、貼らないと若干衿の端が伸びたような感じになるけど、これは見た目の好みの問題で、良し悪しの問題ではないと思います。
また、同じ襟ぐりでも、写真3のような形のものは、伸び止めテープを貼って弊害になることはないと思いますが、写真4のような形だと、弊害になることもあります。

「伸び止めテープはどこに貼りますか」という問いの、個別のケースではなく、一般的な問いの答えは、「伸び止めテープが必要なところ」、という身も蓋もないようなことを話すのですが、けっこうそれ以外の答えがなかったりします。