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ちょっと(かなり?)マニアックな服飾技術の話 (洋服つくりの技術を紹介してます) 22

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ジャケットのラぺルの折り返りについて考える

下の写真の部分を「ラペル」と呼び、通常は「身頃」と「ラペル」という2つの部品で構成されます。

ジャケットのラぺルの折り返りについて考える01

※ここをクリックすると、写真の作品ページに移動します。

下の写真が、その部品で、左が身頃の部品で、ラペルの部品は真ん中のように、折りかえるところが段差になるようになっていることが多い、と思います。
※折り返ったときに、外側にくる生地が足らなくなるので、その分の距離を追加する、というのが理由で、白い線が、身頃の仕上がりの線です。
ただ、自分では、普段そういう方法をとらなくて、左のようにながらかな線になるようにしています。

ジャケットのラぺルの折り返りについて考える02


ミシンをかけた状態が、下の写真。
写真だと分かりにくいですけど、左の方が、ちょっと生地が浮いています。

ジャケットのラぺルの折り返りについて考える03


次に、表に返してステッチをかけたのが、下の写真で、これも、上写真と同様に、左の方が、ちょっと生地が浮いています。

ジャケットのラぺルの折り返りについて考える04


下の写真2枚が折り返した状態で、折り返り方が違ってきます。(やっぱり、写真だと分かりづらい(;^ω^))
左の方が、折り返るポイントが、はっきりしていて、右の方が不明確になります。
言葉にしてみると、左は「かっちり」「ぺたんと」、右は「ふわっと」「もやっと」といったあたりでしょうか。

ジャケットのラぺルの折り返りについて考える05
ジャケットのラぺルの折り返りについて考える06

ちなみに、上のジャケットは、久しぶりに各写真の左の方法をとりましたが、どちらにするべきかの結論としては、見た目の好み、かなと思います。
ただし、使う生地が薄かったり、柔らかかったりすると、より差が出にくくなります。それでなくても、気付かない人には、どうでもよい話なのに。(;^ω^)