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ちょっと(かなり?)マニアックな服飾技術の話 (洋服つくりの技術を紹介してます) 15

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ステッチの一貫性について考える

写真のデニム生地のジャケットの袖には、2本の縫い目があって、その両方に2本ずつステッチをかけています。
ジーパンも同じだけど、こういう生地の細長い部分の2本の縫い目の両方にステッチをかけているものは、ほとんどないはずで、ミシンの構造上、2本目のステッチが異常に面倒で、生地が厚くて硬いほど、部品が細くて長いほど難易度が高まります。
どこかでやってるかもしてませんが、ボクは見たことがありません。 そもそも、機能的にステッチが必要か、という問いはあって、多少強度や安定性は増すけど、基本的にはデザインの話になるので、必要かどうかと問われると、「必要とはいえない」というのが答えではあります。 
では、なぜ袖の両方に2本のステッチをかけようと思ったかというと、このジャケットの縫い目には2本のステッチをかけたデザインにしたので、そこだけ例外にしたくなかった、というのが理由です。 デザインって、一貫性は必要だと考えていますが、最後までつじつまを合わせようとすると、技術的に不可能な箇所や、異常に手間のかかる箇所がでてきて、最後には妥協することもあるのですが、極力さけたい、と思っています。 

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ステッチの一貫性について考える01