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ちょっと(かなり?)マニアックな服飾技術の話 (洋服つくりの技術を紹介してます) 28

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生地の質感について

「普通の生地の質感が悪くなった」というのは、自分でも感じることがあるし、昔からのオシャレを熟知している先輩方もおっしゃることがあります。
では、「どう悪くなったの?」の問いに対して、「見れば分かる」「着れば分かる」だと説明にならないし、言葉でうまい説明が出来るのか分かりませんが、よく使われる表現に「ペラペラになった」という言葉があります。

これは、単に消費者が薄く軽い生地を求めたことに、応えた結果でもあると思います。
「ペラペラ」と「薄く軽い」は、意味が重なる部分があって、このことと、生地の品質とは関係がないのですが、それだけだとは思えず、ボクが感じるのは「生地が乾いてきた」という印象です。
水分含有量などの計測結果は知りませんが、触った感じでそう思うことがあって「しっとり」していない、と。
技術的には、今の織り機は高速化されて、それに繊維を対応させる、強い糸にした結果だとか、原料となる良い天然繊維が手に入らないとか、いろいろと聞きますが、詳しくは分かりません。

この辺りは、見て分からないこともあるのですが、ボクは、こういう袖などのドレープの部分の陰影を見た目としての判断基準にしています。

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生地の質感について01