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ちょっと(かなり?)マニアックな服飾技術の話 (洋服つくりの技術を紹介してます) 6

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「オートクチュール」って?

YouTubeから引っ張ってきたので、わかりにくいけど、下の写真は「クリスチャンディオール」
※ここをクリックすると、該当するYouTubeページが、別画面で開きます。

「オートクチュール」って?01


下の写真は、「Atelier Saison」の制作動画です。
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「オートクチュール」って?02


前者が「オートクチュール」、後者が、この表現を今使うかは不明ですが「プレタポルテ」で、これから生地を裁断するところなんですけど、手順が随分と違っています。

前者の型紙は、仕上がり線(ミシンをかけるところ)で切り取られていて、そこに印を付けて、縫い代を付けて生地を裁断します。
一方で、後者の型紙は、仕上がり線(ミシンをかけるところ)ではなく、そこに縫い代を足した位置に切り取られていて、型紙の切り取られている線と、生地を裁断する線が同じです。
で、その後に、前者は「仕上がり線」を見ながら、後者は「断ち端」を見ながら縫うことになります。

ボクは、今は後者のような作り方をしますが、社会人になってしばらくの間、前者「オートクチュール」の作り方に接していました。
パリでは、まだ「オートクチュール」は残っていますが、日本でこの事業(昔は、デパートでパリオートクチュールの、ライセンス事業というものがありました)をしているところは多分なくて(紳士服テーラーは今もあるけど、技術が違っていて、定義上「オートクチュール」とは呼ばないと思います)、ボクたちの世代が、日本でこの作り方に接した最後の世代のように思います。

「オートクチュールって何か」を突き詰めると、ボクは、デザインや価格ではなく、この制作工程の差にあるんじゃないか、と考えているのですが、服作りの技術の原点は、相変わらずこの「オートクチュール」の作り方にある気がしていて、「オートクチュールの作り方をする(学ぶ)場を作れないかなあ」と、最近YouTubeを見だして、こういう映像を見たもんだから、そんなことを思いました。
具体的ななアイデアはないけど。