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ちょっと(かなり?)マニアックな服飾技術の話 (洋服つくりの技術を紹介してます) 1

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やわらかく見える形

実際の服の硬さ柔らかさは、使う生地と裏側の細工で大半が決まってしまうので、形によって変わるわけではありません。
でも、出来上がってみると、硬く見えるたり柔らかく見えたりします。
もちろん、全体的なデザインによって違って見えることもありますが、細かいことの積み重ねが重要だと思います。
デザインや素材は様々なので、全ての服を、柔らかく見えるように作るわけではありませんが、細やかなこだわりを大切にしています。

【写真1−1】 オーダーメイドで使用した型紙です。
型紙は、設計図というよりはデッサンに近い感覚で描いているので、曲線はフリーハンドで描く時もあります。
大量生産には不向きな方法ですが、一着を作るためには良い方法だと思います。

【写真1−2】 柔らかい線は、柔らかい筆記具から生まれるように思いっているので、型紙を描く時の筆記具と、デザイン画を描く時の筆記具は同じです。
シャープペンシルではなくて、芯の太いレッドホルダーを愛用しています。



【写真2−1】 接着芯の貼り方や縫い代の付け方は、表地やデザインによって毎回少しずつ違いますが、極端な違いはなく、接着芯と伸びを抑制するテープを併用しています。
このテープは 「伸び止めテープ」 というように、主な目的は生地が伸びて形が崩れるのを防ぐ役割です。
形が崩れること自体は良いことではありませんが、無理に固定せずに伸びるにまかせた方が良い所も沢山あるので、必要最低限の使用に止めています。

【写真2−2】 このテープを使うもう一つの目的に、端の部分に少し厚みを持たせることによって、質感を高めるということがあります。
仕上りを薄くしたい場合は、他の方法をとることもありますが、端の部分は、ある程度の厚みを持たせることが多いです。