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「どのように世界を見ているのか」なんて、分かることなの?

「人はどのように世界を見ているのだろう」という問いについて、ボクは以前から興味を持っています。特に、立体をどのように認識しているかに関心があります。日本人は四季がはっきりした環境で暮らしているので、色彩感覚が豊かですが、農耕民族としての歴史から立体視が苦手だという話を耳にしたことがあるけど、本当かなあ?

ボクが立体の認識に興味を持つ理由の一つは、単純にその分野が好きだからです。でも、それ以上に、「日本での洋服の型紙作りの方法が、立体視が苦手な人を前提にしているのではないか」と考えたことがきっかけです。立体視が得意な人は、その能力を活用することで、型紙作りの効率を高めたり、デザインの幅を広げたりできるのではないか、と。また、「立体的な洋服」は高く評価されることが多く、そういった形を目指す上でも役立つのではないかと思います。
その話をする際に、よく「前から見ると三角、横から見ると四角、上から見ると丸の形を想像できますか?」という質問をします。この問いは、学生時代の授業で出されたもので、授業内容は覚えていないけど、なぜかこの問いだけが印象的で記憶に残っています。ボクはこの質問にパッとイメージが湧く人は、立体視が得意なのではないかと仮説を立てています。

この立体視の得意・不得意は、トレーニングでどうにかなるもの、というよりも、生まれ持った能力や幼少期の経験が影響が大きいのではないかと思います。ただ、立体視が得意な人が必ずしも型紙制作に向いているわけではなく、それぞれの適性や習得方法があるようです。
ちなみに、答えを言語化すると「円柱を斜めに切り落とす」というイメージで、3Dプリンターを使って、この「前からは三角、横からは四角、上からは丸」の形を実際に作ってみました。CADアプリでその形を再現し、バッグ用のアクセサリーとして使えるように穴を開けてみました。

すべての人が同じ方法で技術を習得することは、普及には適したやり方ですが、その先の発展には限界があるとも感じています。これは勉強やスポーツにも言えることです。

「他の人はどのように世界を見ているのか」という問いに対して、明確な答えを出せないかもしれませんが、一度は考えてみる価値があるのでは、という話でした。