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基本を学べば、基本ができるようになるの?

基本を学べば、それだけで基本ができるようになるのでしょうか?

何かを習得するうえで「基本が大切」であることは間違いありません。洋服を作る場合も同じことが言えます。しかし、「基本が大事」「基本が重要」と言われるままに、基本だけを学んできた人が本当にその基本を身につけているかというと、ちょっと疑わしい。そのような人は、むしろ「基本以下」の狭い範囲でしか対応できないように見えることがあるからです。

では、どうすれば基本が本当に身につくのでしょうか? ぼくの考えでは、基本をしっかりと理解するためには、その基本の外側にあることも学んでおく必要があるのではないかと思います。

最近、「自動運転車のAIをゲーム環境で学習させるべきだ」という意見を耳にしました。その理由は、ゲーム環境では現実を超えた極端なシミュレーションが可能だからです。たとえば、「おばあちゃんが時速80キロで突進してくる」や「突然地面が割れて怪獣が現れる」といった、現実ではありえないシナリオを想定することで、AIに幅広いケースを学習させられるのです。こうした極端な学習を通じて、現実世界での自動運転の安全性を高めることが期待されています。

具体的にどのようなシミュレーションが学習に効果的なのか、あるいはどこまで周辺のことを学ぶべきなのかは状況により異なるでしょう。しかし、「基本を理解するためには、基本を学ぶだけでは不十分である」という点は、共通の考え方として受け入れられるのではないでしょうか。

これは「視野」の問題ともいえ、極端な状況や想定外のケースを考慮することで、基本そのものへの理解がより深まる。これは、洋服作りやAI学習に限らず、あらゆる分野に通じる大切な考え方ではないかと思います。