「洋裁史(洋服の作り方の変遷)をまとめてみるべきかも」と、思っています。
はじめに
「洋裁史」というと、手縫いをミシン縫製にかえる「機械化」、(一見して形に影響しないような)工程を減らす「簡略化」などがあり、単に洋服を作りたいなら、その時代の方法に従って作るだけで構いませんが、新たに作り方を検討することが必要になったとき、歴史として理解しておくことが望ましく、その洋裁史のなかでも、最も影響の大きな変化として、「ミシンの発明、普及」と「接着芯の発明、普及」が、あげられます。
ミシン
「手縫い」と「ミシン縫製」を比べると、手縫いの方が自在に縫うことができるため、単純に手縫いをミシン縫製にはかえられない箇所があります。したがって、手縫いをミシン縫製にかえる場合、縫製工程の変更で対応することがあり、また、デザインを修正、変更することもあります。
ミシン縫製されている工程を全て手縫いにかえることはできますが、手縫いされている工程を全てミシン縫製にかえることはできません。
接着芯
初期の接着芯は、バリバリと硬い粗悪なものも多くありましたが、今は違和感のない自然な硬さを実現できるようになってきたこともあり、でき上がった洋服を見て、その中に入っている芯が、接着芯か非接着芯かを見分けられる人は少ないと思いますが、材料が変化したこと以上に、作り方が随分かわりました。
一般的に、非接着芯から接着芯にかわることは、手仕事が少なくなることを意味します。
日本語で「仕立てる」という言葉がありますが、これは、非接着芯の服作りの言葉だという印象を個人的にもっています。芯の変化は、「仕立てる」から「制作する、生産する」への変化、といえます。
まとめ
他の多くの伝統技法と同じく、以前の作り方が、「単に古い、昔のやり方だ」とも、「今では実現できない、優れたやり方だ」とも思いませんが、洋裁技術に関しては、日本の導入されたときに、よく理解せずに導入してしまったことの弊害は、初期の技術の中にあると思います。
これらの変化は、技術的に理由のある変化ばかりではなく、とくに技術的には理由のない、単なる「慣習」といってよい変化もあります。全般的には、洋服作りは早く簡単になりましたが、あらかじめ考えておかなければいけない工程が、逆に複雑になることもあります。
「洋裁史」を理解することは、それらの「変化」を理解することにつながります。
つづく(たぶん)。