山村ドレススタジオ > 紳士服オーダーメイド > 078

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日常の洋服ではあまり見られなく、腕の動きの機能をより求められる舞台衣装の世界で採用されることの多い袖の構造を、意図的に取り入れました。
袖下のカーブが、通常の洋服とは逆のカーブになっていて、このことによって腕が上げやすくなります。
純粋に袖の機能だけを求めるなら、スポーツウェアのようなデザインにすればいいのですが、これは求めるデザインとの兼ね合いもあり、機能の話と見た目の形は常にバランスの話で、今回の方法にも欠点はあります。
今回はそのことに加え、縫い目の位置と、3本のダーツによって、肘の動きの機能性を求めるデザインにし、結果的にできた袖の型紙は写真4のようになり、洋服の型紙を見たことのある方には、珍しいものになったと思います。

ボクは、装飾的な意味での「デザイン」と、構造的な意味での「機能性」は、同時に考えることが多く、これらは分かれれないものだと思っています。