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山村ドレススタジオのロゴは、茶道の四畳半茶室の間取りを元にデザインしました。

建築家、村野藤吾氏が、日本建築を設計する際に、心に留めいていたとされる言葉に、「泉岡語録」というものがあり、それは以下のようなものです。
一、玄関を大きくするな。門戸を張るな。
一、外からは小さく低く、内に這入る程広く、高くすること。
一、天井の高さは七尺五寸を限度と思え、それ以上は料理か、功成り名とげた人の表現になるので普通ではない。
一、柱の太さは三寸角、それ以上になると面取りで加減したり、ごひら(長方形)する
一、窓の高さは二尺四寸、風炉先屏風の高さが標準
一、縁側の柱は一間まに建て、桁に無理させぬこと、これで充分日本風になるはずである。
一、人の目につかぬところ、人に気付かれぬところ程仕事を大切にして金をかけること。
一、腕の良さを見せようとするな、技を殺せ。

この言葉を、正確に覚えていたわけではありませんでしたが、ずっと以前に読んで以来、何故か印象に残っていて、ロゴのデザインに、この感覚や美意識を取り入れたい、と思いました。
山村ドレススタジオのロゴは、茶道の四畳半茶室の間取りを図案化し、なるべく目立たない場所に縫い付けています。
個人的に、茶道と華道を教えている家庭で生まれ育ったことも、茶室をモチーフとして選んだ、という理由もあると思いますが、武士は「刀」を外に置いて茶室に入る、といった平等性や、とても手間がかかっているにも関わらず、かかった手間をあからさまに主張しない、華美さを排除しているところなど、求めていくべき理想のモノ作りの姿だと考えています。

「家は漏らぬほど、食事は飢えぬほどにてたる事なり」
これは、千利休の言葉ですが、「衣」についても共有する感覚を求めたいと考えています。
「叶うはよし、叶いたがるは悪しし」というも、同じく千利休の言葉です。
お作りした服が、「叶う」ような存在であるよう努めています。

ロゴ・デザインには、そのような想いを形に表しています。
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