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「シンプルだけど複雑」なコート。

このコートをご注文いただいた時、最高級のカシミヤ生地とともに、お客様からの最初のご要望は「70〜73センチくらいのコートとしては短めの丈、打ち合わせの深い(前身頃の重なっている部分が広い)コート」というもので、その後のお話の中で、「襟はない」「襟腰の高さはある(後ろから見て、首が隠れる)」デザイン、ということになりました。

そこから、まず全体のシルエットや襟ぐりの流れを考え、切り替えのデザインを慎重に検討しました。

今回のコートは、前はシャツスリーブ、後ろはラグランスリーブ、それらを一枚の袖のパーツで賄う、という構造とし、素材の良さをそのまま活かすために、切り替え線をできるだけ少なく、目立たなくなる工夫をしました。

他に、あまり目だないけど、さりげないポイントとなる、ポケットの切り替え。
パーツを増やさないことと、ポケットとしての機能を高めることを両立させたデザインです。

「シンプルに見せるための複雑な構造」をしたコートが完成しました。

一緒に仕立てた、同じ布のマフラーを組み合わせても楽しめます。